論文種別 症例報告
言語種別 日本語
表題 2名の腹膜透析患者での骨粗鬆症に対するデノスマブの効果
掲載誌名 正式名:腎と透析
略  称:腎と透析
ISSNコード:0385-2156
巻・号・頁 79(別冊 腹膜透析2015),185-187頁
著者・共著者 木村 行宏;操 なお子;橋本 和明;高橋 浩毅;村上 大輔;今井 裕一
発行年月 2015/10
概要 キーワード:Acid Phosphatase(血液);Alkaline Phosphatase(血液);Calcium(血液);Isoenzymes(血液);Peptide Fragments(血液);Procollagen(血液);*骨粗鬆症(薬物療法,予後,合併症);糸球体腎炎(治療,合併症);副甲状腺ホルモン(血液);*腎不全-慢性(治療,合併症);皮下注射;糖尿病性腎症(治療,合併症);*腹膜透析;リン(血液);Collagen Type I(血液);*Denosumab(治療的利用);CTx Telopeptide(血液);NTx Telopeptide(血液);Procollagen Type I N-Terminal Peptide(血液);Tartrate-Resistant Acid Phosphatase(血液);糸球体腎炎-慢性(治療,合併症);ヒト;中年(45~64);高齢者(65~79);男;女
岐阜市民病院の腹膜透析(PD)患者のうち、骨密度検査においてYAM≧80%であった61歳男性と73歳女性を対象に、デノスマブを用いて治療を行い、その有用性について検討した。2名とも骨折歴はなく、これまで骨粗鬆症は未治療であった。同意を得た後、保険用量としてデノスマブ60mgを皮下投与し、初回・2回目投与前(6ヵ月後)に骨マーカー・骨密度の変動を測定した。骨密度、腎機能の影響を受けないマーカーでも、また、腎機能の影響を受ける他の骨マーカーにおいても、投与後6ヵ月後に大幅な改善を認めた。投与期間中に、新規骨折などのイベントの発生はなかった。また、著明な低カルシム血症とそれに伴うテタニー、痙攣などの副作用も発生しなかった。ビタミンD3製剤であるエルデカルシトールは透析患者に用いる際には用量調整が必要であり、一定の投与量を維持することは難しいこともあり、PD患者に対する骨粗鬆症治療薬としてデノスマブは有力な選択肢となり得ることが示唆された。
岐阜市民病院 腎臓内科
DOI 2016101549
PermalinkURL http://search.jamas.or.jp/link/ui/2016101549