論文種別 症例報告
言語種別 日本語
表題 環状紅斑と血管腫様の皮疹を呈した乳癌の皮膚転移の1例
掲載誌名 正式名:皮膚科の臨床
ISSNコード:00181404
掲載区分国内
出版社 金原出版(株)
巻・号・頁 59(3),373-376頁
著者・共著者 佐藤 有規奈[平野], 安藤 高志, 高阪 絢子, 高橋 恵美子, 原 一夫, 渡辺 大輔
発行年月 2017/03
概要 61歳女性。乳癌の腋窩リンパ節再発に対する治療中であったが、前胸部に軽度のそう痒を伴う紅斑が出現、皮疹が頸部まで拡大したため紹介となった。初診時、左胸部から左頸部にかけて、環状紅斑と血管腫様の紅色小丘疹がみられた。病歴・臨床所見と病理・免疫組織学的所見から、乳癌の皮膚転移と診断された。そう痒に対しステロイド外用剤による対症療法を行ったが、3ヵ月後に皮膚硬化と小丘疹の拡大・増加がみられた。再度行った皮膚生検では真皮のリンパ管拡張、リンパ管およびリンパ管周囲組織への腫瘍細胞の浸潤がみられ、乳癌の皮膚転移における炎症型と考えられた。その後、甲状腺転移と右肺野の癌性リンパ管症の出現が疑われたため、治療薬が抗HER2ヒト化モノクローナル抗体・アロマターゼ阻害薬から抗HER2抗体チューブリン重合阻害剤複合体に変更された。その結果、原疾患の進行が抑制されるとともに、皮膚所見も軽快傾向を示した。
文献番号 2017200159